北海道の建設業M&A|技術者不足と経審評価を武器に会社を高く売るための方法 | 北海道M&A総研マガジン

北海道の建設業M&A|技術者不足と経審評価を武器に会社を高く売るための方法

北海道の建設業・土木業でM&Aをご検討中の経営者様へ。人手不足や2024年問題を背景とした最新の売却相場、経審や有資格者の評価ポイント、許認可を引き継ぐスキームを徹底解説します。

目次

  1. 北海道の建設業界におけるM&A
  2. 売り手市場が続く「北海道×建設」のM&Aトレンド
  3. 建設業M&Aで企業価値を決める4つの評価軸
  4. M&Aスキームによる建設業許可と入札資格の承継可否
  5. 北海道特有の課題|除雪業務と冬場の赤字の扱い
  6. M&A総合研究所が北海道の建設業者に選ばれる理由
  7. 売却前にやっておくべきチェックリスト
  8. まとめ

「震災復興需要も落ち着き、今後の公共工事の見通しが不透明だ」 「若い職人が入ってこないし、ベテランの引退で資格者が足りなくなる」

北海道の建設業界は今、かつてない転換期を迎えています。長年、地域のインフラを守ってきた経営者様の中には、人手不足や2024年問題への対応に頭を悩ませ、「自分の代で会社を畳むべきか、それとも誰かに託すべきか」と、事業承継の決断に揺れている方も多いのではないでしょうか。

実は今、北海道の建設業者は、道内外の買い手企業から最も欲しいM&A対象として注目されています。なぜなら、建設業許可や入札資格、そして何より現場を回せる技術者は、お金を出しても一朝一夕には手に入らない貴重な資産だからです。

本記事では、北海道エリアの建設業界におけるM&Aの最新トレンドから、経営事項審査などの専門的な評価ポイント、そして許認可をスムーズに引き継ぐための具体的なスキームまでを網羅的に解説します。廃業という選択をする前に、御社が持つ見えない価値に気づき、次世代へバトンを繋ぐための戦略としてお役立てください。

北海道の建設業界におけるM&A

北海道の建設業界は今、単なる後継者不足の枠を超えた、構造的な再編の波に飲み込まれています。その最大の要因は、採用不能による事業継続の限界です。

2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制により、これまで通りの工期や人員体制で現場を回すことが困難になっています。さらに、若手入職者の減少とベテラン技術者の高齢化が進み、北海道各地の現場では「工事の引き合いはあるのに、施工管理技士が足りなくて入札に参加できない」という事態が常態化しています。

しかし、地域密着の建設会社が廃業してしまえば、冬場の除雪業務や災害時の復旧対応といった地域インフラが崩壊しかねません。こうした危機感から、行政や発注者側も企業の規模拡大や統合を後押ししており、自力での採用に限界を感じた中小建設会社が、大手・中堅企業のグループに入ることで人材と経営基盤を確保しようとする動きが加速しています。M&Aは、もはや身売りではなく、地域を守り、会社を存続させるための現実的な生き残り策として定着しつつあります。

売り手市場が続く「北海道×建設」のM&Aトレンド

現在、北海道の建設会社は、買い手からのオファーが絶えない完全な「売り手市場」にあります。道内の同業者だけでなく、本州のゼネコンや異業種からの買収ニーズが殺到しており、条件次第では想定以上の高値で売却できるチャンスが到来しています。

本州ゼネコンによる「人材・拠点」獲得競争

再開発が進む札幌圏や、千歳市のラピダス工場建設に伴う特需を取り込みたい本州のゼネコンやハウスメーカーが、北海道への進出を加速させています。

彼らにとって最大の課題は、北海道での施工部隊と拠点の確保です。一から営業所を開設し、地元の職人を採用・育成するには、膨大なコストと数年単位の時間がかかります。

しかし、M&Aであれば、すでに地域に根差した施工能力と、協力会社とのネットワーク、そして必要な許認可を一括して手に入れることができます。時間をお金で買うという合理的な判断のもと、人材確保コストをM&A費用に上乗せしてでも買収したいという強い意欲が、相場を押し上げています。

道内中堅企業によるエリア補完と規模の拡大

道内企業同士のM&Aも活発です。広大な北海道では、エリアによって公共工事の発注量や季節性が異なります。

例えば、札幌圏の企業が、公共工事の多い道東や道北の企業を買収することで、営業エリアを補完し、収益の安定化を図る動きが見られます。また、土木工事主体の会社が建築会社を買収して総合建設業化したり、舗装会社を買収して内製化を進めたりするなど、経営基盤の強化を目的としたM&Aも増加しています。

買い手にとっては、規模拡大によるスケールメリットで資材調達コストを削減できるといったシナジー効果も期待できるため、積極的な買収姿勢を見せています。

建設業M&Aで企業価値を決める4つの評価軸

一般的な企業の評価では営業利益が重視されますが、建設業の場合は業界特有の資産や実績が企業価値を大きく左右します。買い手がデューデリジェンスで特に重視する4つの要素を解説します。

1. 有資格者(施工管理技士)の数と年齢構成

建設会社の最大の資産は人です。1級土木施工管理技士や1級建築施工管理技士の在籍人数は、そのまま企業価値に直結します。

特に、若手から40代・50代の中堅層が定着している会社は、それだけで数千万円単位の価値が上乗せされます。人材紹介会社を使って有資格者を1名採用するだけでも数百万円のコストがかかる現在、まとまった人数の技術者を確保できるM&Aは、買い手にとって極めて投資対効果の高い手段だからです。

逆に、有資格者が70代以上の高齢者に偏っている場合は、引退リスクが考慮され、評価が割り引かれる可能性があります。

2. 経営事項審査(経審)の評点とランク

公共工事を主体とする企業にとって、経営事項審査の総合評定値と、それに基づく入札参加資格ランクは、まさに企業の商品価値そのものです。

買い手は、「この会社を買収することで、どのランクの工事に入札できるようになるか」をシミュレーションします。M&Aによって財務体質が改善されたり、技術職員数が増えたりすることで、合算後の評点が上がり、今まで取れなかった大規模工事への入札が可能になる場合、そのシナジー効果が見込まれ、実際の利益額以上に高い評価額が付くことがあります。

3. 保有重機・車両と自社ヤードの立地

北海道の土木工事、特に山間部や農村部の現場では、自社で重機やダンプを保有しているかどうかが機動力を左右します。

重機をリースではなく自社保有しており、かつ適切にメンテナンスされている場合、それらは換金性の高い資産として評価されます。また、それらを保管・整備できる広大なヤードを持っていることも重要です。

特に、主要道路からのアクセスが良く、騒音などの苦情リスクが少ない立地のヤードは、物流拠点としての価値も含めてプラス査定となります。

4. 工事履歴と顧客基盤(民間・公共のバランス)

誰から仕事を受けているかも重要なチェックポイントです。特定の元請け1社に売上の大半を依存している場合、その元請けとの関係が切れた瞬間に経営が傾くため、リスク要因となります。

一方、北海道開発局や北海道庁、各市町村からの公共工事を安定的に受注している実績(工事履歴)がある場合は、経営の安定性が高いと評価されます。また、民間工事においても、地元の優良企業や農協などと長年の取引がある場合は、強固な顧客基盤として評価されます。

M&Aスキームによる建設業許可と入札資格の承継可否

建設業は許認可ビジネスです。M&Aの手続き中に建設業許可が切れたり、入札参加資格が失効したりすれば、事業価値はゼロになってしまいます。そのため、法的なスキーム選びは慎重に行う必要があります。

株式譲渡(最も一般的かつスムーズ)

建設業M&Aにおいて、9割以上のケースで採用されるのが株式譲渡です。これは、会社のオーナーが代わるだけで、会社という法人格はそのまま存続する方法です。

法人格が変わらないため、原則として会社が保有している建設業許可や、経審の評点、入札参加資格、過去の工事実績などをそのまま引き継ぐことができます。手続きも比較的簡便で、従業員の雇用契約や取引先との契約も巻き直す必要がありません。 

ただし、許可の要件である経営業務の管理責任者や専任技術者となっている役員や従業員が、M&A直後に退職してしまうと、要件を満たせなくなり許可取り消しとなるリスクがあります。そのため、キーマンとなる人物の継続勤務を契約条件に盛り込むことが必須です。

事業譲渡(許認可の取り直しリスク)

「会社の一部門だけを売りたい」「簿外債務のリスクを遮断したい」といった場合に用いられるのが事業譲渡です。

建設業において事業譲渡はハードルが高い手法です。原則として許認可は承継されず、買い手側で新たに許可を取得するか、承継認可の手続きを行う必要があります。2020年の法改正で承継認可制度ができましたが、手続きが非常に煩雑であり、認可が下りるまでのスケジュール管理を誤ると、公共工事の入札に参加できない空白期間が生じる恐れがあります。

実務上はリスクが高いため、慎重な判断が求められます。

会社分割(吸収分割)

特定の事業部門を切り出して、買い手企業に統合させる手法です。

事業譲渡と異なり、権利義務を包括的に承継できるため、許認可の承継もしやすいというメリットがあります。しかし、債権者保護手続きが必要となるため、手続き完了までに最低でも1ヶ月半〜2ヶ月程度の期間を要します。

北海道特有の課題|除雪業務と冬場の赤字の扱い

北海道の建設会社を売却する際、必ず議論になるのが冬場の収益性です。買い手に対し、この季節変動リスクをどう説明し、納得させるかが成約の鍵を握ります。

除雪は「コスト」か「安定収益」か

除雪業務は、利益率だけで見れば決して高い仕事ではありません。早朝深夜の過酷な労働でありながら、単価が決まっているため、買い手によっては不採算部門と見なされることもあります。

しかし、売り手側としては「除雪業務があるからこそ、冬場でも重機を稼働させ、オペレーターを通年雇用できている」というロジックを説明する必要があります。また、除雪を受託していることは、行政から地域のインフラ維持に不可欠な企業として認定されている証拠であり、倒産リスクの低い安定した基盤があることのアピールになります。

この「地域貢献=経営の安定」という文脈を理解してもらうことが重要です。

季節変動を平準化するマッチング戦略

M&Aならではの解決策として、季節変動を平準化するマッチングがあります。

例えば、雪の少ない関東や東海地方の企業と組むことで、北海道の冬場に、人と重機を本州の現場へ送り込む出稼ぎモデルを構築することが可能です。これにより、年間を通じた稼働率を高め、収益性を向上させることができます。こうしたシナジー効果を具体的に提案できるかどうかが、M&A仲介会社の腕の見せ所でもあります。

M&A総合研究所が北海道の建設業者に選ばれる理由

建設業M&Aは、一般的なビジネスの売買とは異なり、建設業法や経審の知識が不可欠です。M&A総合研究所は、建設業界のM&A支援に特化した知見と、北海道エリア専任のサポート体制を兼ね備えています。

建設業界特化の知見と企業価値算定

建設会社の価値は、決算書の数字だけでは測れません。M&A総合研究所では、在籍する有資格者の種別や年齢構成、経審の評点構造、保有重機の市場価値などを精緻に分析します。

財務諸表には表れない現場力や技術力を正当に評価し、それを論理的に買い手企業へアピールすることで、納得感のある株価を算出します。「赤字だが技術者は揃っている」「重機などの資産背景が良い」といった建設業特有のポテンシャルを見抜き、売り手が損をしない適正価格を引き出します。

北海道専任チームによる地場の理解

M&A総合研究所には、北海道エリアを熟知した専任のアドバイザーチームが在籍しています。

北海道の建設業界特有のJVの慣習や、地元の協力会社との関係性、冬場のビジネス環境などを深く理解しているため、トラブルのないスムーズな調整が可能です。東京の理屈を押し付けるのではなく、経営者の想いや地域の事情を汲み取りながら、最適なマッチングを実現します。

(URL: https://hokkaido-ma.com/

事例:旭川市の消防施設工事業(D社)の成功要因

実際にM&A総合研究所が仲介し、成約に至った北海道企業の事例です。旭川市で消防用設備の点検・工事を行うD社(売上約1億円)は、後継者不在に悩んでいました。

当社の支援により、同じ道北エリアで電気工事業を営むG社とのマッチングが実現。G社にとっては消防設備分野への新規参入となり、D社の従業員はそのまま雇用されました。「同業者だからこそ技術の価値が分かる」というマッチングの妙と、当社のスピード対応が功を奏し、地域のインフラと雇用を守ることに成功しました。

(参照:https://masouken.com/interviews/38

売却前にやっておくべきチェックリスト

少しでも高く、そしてトラブルなく会社を売却するためには、事前の準備が欠かせません。今からできるチェック項目を整理しました。

未成工事支出金の精査

決算書上の未成工事支出金の数字が、実態と合っているか確認してください。

すでに完了した工事の原価が残っていたり、架空の数字が計上されていたりすると、デューデリジェンスで指摘され、信用を失う原因になります。実地棚卸を行い、不要なものは損失処理をしてでも整理し、クリーンな決算書にしておくことが重要です。

社会保険加入状況と労務コンプライアンス

建設業界では、職人の社会保険加入が厳格化されています。未加入の作業員がいる場合、公共工事の現場に入れないなどのリスクがあるため、M&Aのマイナス査定になります。

また、建設キャリアアップシステムへの登録状況や、残業時間の管理体制も重要なチェック項目です。法令遵守の姿勢を見せることが、買い手からの信頼獲得に繋がります。

株式の集約と名義株の解消

創業の古い建設会社によくあるのが、「昔、付き合いで親戚や知人に株を持ってもらった」という名義株の問題です。

株主名簿に載っている株主と連絡がつかない場合、M&Aの手続きが進められません。所在不明株主がいる場合は、法的な手続きを経て整理するか、事前に買い取り交渉を行い、株式を社長や親族に集約し、100%譲渡できる状態にしておく必要があります。

まとめ

北海道の建設業界におけるM&Aは、もはや特別な出来事ではなく、会社を存続させるための現実的な経営戦略です。

人手不足や2024年問題といった荒波を乗り越えるためには、自社の技術力や許認可という価値を正しく評価し、それを必要としているパートナーと手を組むことが有効な解決策となります。廃業を考える前に、まずは自社にどれだけの価値があるのか、専門家の査定を受けてみてください。その一歩が、地域のインフラと従業員の生活を守ることに繋がります。

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