北海道企業の売り値はどう決まる?適正な企業価値を知り、高値売却を実現するための算定ロジック | 北海道M&A総研マガジン

北海道企業の売り値はどう決まる?適正な企業価値を知り、高値売却を実現するための算定ロジック

本記事では、年買法などの企業価値算定ロジック、北海道ならではのプラス・マイナス査定要因、業種別の相場観を徹底解説。顧問税理士の評価との違いや、高値売却を実現するための磨き上げ戦略も網羅しました。

目次

  1. なぜ「決算書の数字」と「M&Aの売却価格」は違うのか
  2. 中小企業のM&Aで主流となる3つの企業価値算定アプローチ
  3. 北海道企業の企業価値を左右する「年買法」の仕組み
  4. 北海道ならではの「プラス査定」と「マイナス査定」要因
  5. 業界別に見る評価ポイントとEBITDA倍率の傾向
  6. 企業価値を最大化するための磨き上げ(プレM&A)戦略
  7. 誰に算定を依頼するかで「売り値」は変わる
  8. 企業価値算定から成約までのプロセス
  9. まとめ

「うちの会社は、一体いくらで売れるのだろうか?」

M&Aや事業承継を検討し始めた北海道の経営者様が、最初に抱く疑問ではないでしょうか。「長年積み上げてきた資産はあるが、設備は古い」「利益は出ているが、冬場の収益低下が気になる」このような要素が複雑に絡み合い、自社の適正な価値を把握することは容易ではありません。

実は、M&Aにおける企業価値は、決算書の数字だけで決まるものではありません。北海道という地域特有のブランド力や商圏の独占性といった目に見えない資産が、時には数千万円、数億円というのれん代として評価されることがあります。逆に、広大な土地がマイナス査定になることもあり、そのロジックを知っているかどうかが、手取り額に大きな差を生みます。

本記事では、北海道企業における企業価値評価の仕組みから、建設・観光・食品といった業種別の査定ポイント、そして評価額を最大化するための具体的な磨き上げ戦略までを、M&Aのプロフェッショナルの視点で徹底解説します。大切な会社を安売りせず、正当な評価を得るための指針としてお役立てください。

なぜ「決算書の数字」と「M&Aの売却価格」は違うのか

多くの経営者様は、決算書の貸借対照表にある純資産の部が、会社の値段そのものであると考えています。しかし、M&Aの現場で用いられる企業価値は、この簿価純資産とは大きく異なる概念で算出されます。

M&Aにおける企業価値とは、過去の積み上げである資産を時価で再評価したものに加え、その会社が持っている将来稼ぐ力や、ブランド・技術力・顧客基盤といった目に見えない資産をすべて加味した時価総額のことを指します。つまり、たとえ決算書上の資産が少なくても、高い収益性を誇る会社であれば、純資産の数倍の価格で売買されることが日常的に起こります。

特に北海道の企業においては、バブル期以前に取得した広大な工場用地や、減価償却の終わった古い設備などが多く、帳簿上の価格と実際の市場価値に大きな乖離が生じているケースが多々あります。また、回収見込みのない売掛金や不良在庫が資産として計上されていることもあります。そのため、M&Aを検討する際には、まず「決算書の数字=売れる価格ではない」という認識を持ち、時価ベースでの再評価を行うことがスタートラインとなります。

中小企業のM&Aで主流となる3つの企業価値算定アプローチ

企業の価値を金額換算する作業をバリュエーションと呼びます。このバリュエーションには、世界的に確立された主に3つのアプローチが存在します。

それぞれ計算の根拠となる視点が異なり、会社の規模や業種、M&Aの目的によって使い分けたり、併用したりします。北海道の中堅・中小企業M&Aにおいて、これらの手法がどのように適用されるのか解説します。

1. コストアプローチ(修正純資産法)

コストアプローチは、貸借対照表の純資産に着目した評価手法です。中でも「修正純資産法」は、保有している資産と負債を、現時点での時価で再評価し、その差額を企業価値とみなす方法です。

北海道企業での適用 工場や重機、広大な土地などの有形資産を多く保有する製造業や建設業において、企業価値の底値を確認するために必ず用いられます。客観性が高く計算もしやすい反面、この手法だけでは、その会社が持つ北海道ブランドや技術力といった収益力が一切反映されないため、売り手にとっては厳しい評価額になりがちです。

2. インカムアプローチ(DCF法)

インカムアプローチは、企業が将来生み出すと予測されるフリーキャッシュフロー(現金収支)を、現在価値に割り引いて計算する手法です。代表的なのが「DCF法」です。

北海道企業での適用「将来稼ぐ力」を直接評価するため、理論的には最も合理的とされています。しかし、精度の高い将来事業計画書(5年分など)を作成する必要があり、その計画の確からしさに評価額が大きく左右されます。不確実性の高い中小規模のM&Aにおいては、買い手と売り手の認識のズレが大きくなりやすいため、あくまで参考値として扱われることが多いのが実情です。

3. マーケットアプローチ(類似会社比較法・マルチプル法)

マーケットアプローチは、市場の相場を基準にする手法です。「類似会社比較法」は、上場している同業他社の株価指標を参考に、類似企業が利益の何倍で評価されているかを自社に当てはめて計算します。

北海道企業での適用「業界の相場感」として直感的に理解しやすく、客観的なデータに基づいているため、価格交渉の根拠として頻繁に使用されます。例えば、「北海道の同業他社が利益の5倍で売れたから、自社も5倍程度が目安」といった議論が可能になります。

北海道企業の企業価値を左右する「年買法」の仕組み

学術的な手法は前述の3つですが、実際の中小企業M&Aの現場で最も頻繁に使われ、かつ経営者にとって納得感が高いのが「年買法」と呼ばれる計算式です。

これは、コストアプローチとインカムアプローチの簡易版を組み合わせたハイブリッドな手法で、以下の式で算出されます。

企業価値 = 時価純資産 + 実質営業利益 × 3〜5年分

この式の後半部分、「実質営業利益 × 年数」が、いわゆるのれん代に当たります。つまり、「今会社を解散したらいくら残るか」に、「将来期待できる利益の数年分」を上乗せして売却価格とする考え方です。

北海道エリアのM&Aにおいては、業種や企業の強みによってこの「年数倍率」が変動します。一般的には3年程度が目安ですが、ニセコエリアの観光業や、独自の食品ブランドを持つ企業の場合、5年分、あるいはそれ以上の倍率で評価されることも珍しくありません。こののれんをいかに高く評価してもらうかが、高値売却の最大のポイントとなります。

北海道ならではの「プラス査定」と「マイナス査定」要因

一般的な計算式で算出された金額に対し、実際の取引価格には、北海道ならではの地域事情や個別企業の特性が「プレミアム」または「ディスカウント」として反映されます。

買い手企業が何に価値を感じ、何をリスクと捉えるのか。そのロジックを知っておくことで、自社の強みを的確にアピールし、弱みをカバーすることが可能になります。

【プラス要因】北海道ブランドとインバウンドポテンシャル

北海道の企業にとって最大の武器は、そのブランド力です。

食や観光に関連する事業は、国内のみならず海外の投資家や企業から見ても極めて魅力的な投資対象です。ニセコ、富良野、札幌といった特定エリアにおける不動産価値の上昇期待や、北海道産の農水産物をASEAN市場へ輸出するポテンシャルなどは、通常の営業利益倍率を大きく超えるプレミアムとして評価額に上乗せされます。

「北海道にある」ということ自体が、一つの強力な無形資産となるのです。

【マイナス要因】物流コストと季節変動リスク

一方で、北海道特有のコスト構造は、買い手にとってのリスク要因となり得ます。

津軽海峡を越えて本州へ出荷するための物流コストや、冬場の暖房費、除雪費、そして積雪による稼働率の低下などは、収益性を圧迫する要因です。特に道外の買い手は、これらのコストを厳しく見積もる傾向があります。

ただし、これらのハンデを抱えながらも高収益を維持している企業であれば、逆に「現場対応力が高い」「コスト管理能力が優れている」として、ポジティブに評価されるケースもあります。

【特殊要因】広大なエリアでの独占的商圏

北海道の地方部ならではの評価ポイントとして、商圏の独占性が挙げられます。

人口密度が低い地域では、競合他社が新規参入するメリットが薄いため、既存の企業がそのエリアのインフラや生活サービスを一手に担っている状態にあるケースが多く見られます。これは競争がない安定市場として評価されます。

人口減少というネガティブな側面だけでなく、他社に代わられない絶対的な存在であることを数値化してアピールすることで、企業価値を高めることができます。

業界別に見る評価ポイントとEBITDA倍率の傾向

同じ北海道の企業でも、属する業界によって買い手が見るポイントや評価倍率は異なります。主要産業について、デューデリジェンスで特に重視される項目を解説します。

建設・土木業界の評価軸

建設業の価値の源泉は、入札参加資格と施工能力にあります。

公共工事の入札ランクを決める経営事項審査の評点は、将来の売上見込みを測る最も重要な指標です。また、保有している重機や車両が適切にメンテナンスされているか、そして何より、それらを動かす有資格者が確保できているかが問われます。人手不足が極まっている現在、若手技術者が定着している組織は、それだけで資産価値が跳ね上がります。

ホテル・旅館・観光業の評価軸

観光業では、客室稼働率や客単価といった運営指標に加え、ハード面の資産価値がダイレクトに価格に反映されます。

特に温泉旅館などの場合、建物の耐震性や修繕履歴、温泉権の権利関係が厳しくチェックされます。もし大規模な改修が必要な老朽化物件であれば、その改修コスト見合い分が買収価格から差し引かれる可能性があります。一方で、立地条件が良く、インバウンド集客の実績がある場合は、将来キャッシュフローへの期待値として高いのれん代がつきます。

食品製造・農業法人の評価軸

食品・農業分野では、差別化要素と販路がのれん代の源泉です。

他社には真似できない独自の加工技術や、知名度のあるブランド商標、そして大手百貨店やスーパーとの直接取引口座を持っているかどうかが重要です。また、農業法人の場合、農地所有適格法人としての要件を満たしているか、農地の権利移動手続きがスムーズに行えるかといった法的な側面も、M&Aの成否と評価額に影響を与えます。

企業価値を最大化するための磨き上げ(プレM&A)戦略

M&Aの査定額は、今のありのままの数字を受け入れるしかないわけではありません。売却前に財務内容や組織体制を整理し、磨き上げを行うことで、意図的に評価額を引き上げることが可能です。

正常収益力(実力値)の証明

中小企業では、節税対策として役員報酬を高めに設定したり、経営者の私的な支出を経費計上したりして、あえて利益を低く抑えているケースがよくあります。

企業価値算定の際には、これらの節税的支出を本来の利益に足し戻す修正営業利益を用います。例えば、役員報酬を適正水準に引き下げ、私的経費を排除した場合、実際の営業利益はいくらになるのかを算出します。この真の実力値を論理的に証明し、買い手に提示することで、決算書上の利益ベースよりも数千万円高い評価額を引き出すことができます。

簿外債務と法務リスクの排除

未払い残業代、社会保険の未加入、契約書の不備といった法務リスクや簿外債務は、デューデリジェンスで発覚すると致命傷になります。

これらが見つかった場合、買い手は将来のリスクを恐れ、大幅な価格減額を要求するか、最悪の場合は破談にします。売ると決めてから直すでは遅すぎます。日常的なコンプライアンス遵守を徹底し、リスクの芽を摘んでおくことが、最終的な手取り額を最大化するための最も確実な投資となります。

誰に算定を依頼するかで「売り値」は変わる

「誰が計算するか」によって、算出される企業価値には大きな差が出ます。依頼する専門家の立場や目的が異なるためです。

顧問税理士の算定(相続税評価)との違い

顧問税理士に「うちの株価はいくら?」と聞くと、多くの場合は相続税評価額を算出してきます。これはあくまで相続税を計算するための基準であり、M&A市場で売れる価格とは全く別物です。

税理士の主な仕事は節税であるため、株価を低く評価するバイアスがかかりがちです。この低い評価額を信じてM&Aの交渉に臨むと、本来もっと高く売れたはずの会社を、相場より安く手放してしまうことになります。M&Aの価格を知りたい場合は、税務評価ではなく、ビジネスとしての時価評価ができる専門家に依頼する必要があります。

M&A総合研究所の「市場価値」に基づく査定

M&A総合研究所では、過去の膨大な成約データと、現在進行形で動いている全国の買い手需要に基づき、「今、市場で売れる最高値」を算出します。

机上の空論としての計算だけでなく、独自のAIマッチングシステムを活用して、この北海道企業を最も高く評価してくれる買い手を具体的に想定した上でプライシングを行います。そのため、一般的な相場以上の価格提示が可能になります。まずは自社の本当の市場価値を知るための無料査定をご活用ください。

企業価値算定から成約までのプロセス

実際に査定を依頼してから、どのような手順で価格交渉が行われ、最終的な譲渡価格が決定するのか、実務フローを解説します。

初期査定と提携仲介契約

まずは、直近3期分の決算書や勘定科目内訳明細書などの基礎資料を提出し、簡易的な企業価値算定を行います。この段階で、「概ねいくらくらいで売却可能か」という目安を把握します。M&A総合研究所では、この初期相談と簡易査定を着手金無料で提供しています。

意向表明(LOI)と価格調整

買い手候補とのトップ面談を経て、買収への関心が高まると、買い手から「意向表明書」が提出されます。ここには、希望買収価格や諸条件が記載されています。提示された価格が適正か、あるいはもっと引き上げられないか、アドバイザーが間に入って条件交渉を行います。

最終監査(DD)と最終価格決定

基本合意後、買い手による詳細なデューデリジェンスが行われます。ここで大きな問題がなければ、最終的な譲渡価格が確定し、最終契約の締結となります。DDで減額されないよう、事前の情報開示を正確に行い、信頼関係を維持することが重要です。

まとめ

北海道企業のM&Aにおける企業価値は、決算書の数字だけで測れるものではありません。北海道ブランドや人材の定着率といった無形資産が、評価額を大きく押し上げる可能性があります。

重要なのは、自社の価値を過小評価せず、市場から見た適正価格を知ることです。そのためには、相続税評価ではなく、M&Aの市場価値を熟知した専門家の査定を受けることが不可欠です。まずは自社にどれだけの価値があるのか、無料査定で確認することから始めてみてください。その数字が、会社の新たな可能性を広げるきっかけとなります。

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