北海道のM&A・事業承継の現状と成功のポイント|動向・主要産業・おすすめの相談先を徹底解説
北海道でM&A・事業承継をご検討中の経営者様へ。本記事では、後継者不足率の高い北海道ならではのM&A動向、建設・観光・食品など主要産業の売却相場、そして最適な相談先の選び方を徹底解説します。
目次
北海道経済は今、人口減少による深刻な人手不足と、インバウンド需要や再生可能エネルギー開発による投資ブームという、相反する二つの波に直面しています。多くの経営者様が「黒字だが後継者がいないため、廃業せざるを得ないのではないか」という不安を抱える一方で、道外や海外の企業からは「北海道のブランドや拠点が欲しい」という熱烈なオファーが絶えません。
「先代から引き継いだ会社を、自分の代で終わらせてよいものか」 「従業員の雇用を守るために、どのような選択肢があるのか」
このような悩みに対する現実的かつ前向きな解決策として、M&A(第三者への承継)を選択する北海道企業が急増しています。かつてのような「身売り」というネガティブなイメージは薄れ、現在は企業の存続と発展を目指すための「戦略的提携」として捉えられるようになりました。
本記事では、北海道エリアにおける最新のM&A事情から、建設・観光・食品といった主要産業ごとの評価ポイント、そして地元の銀行や仲介会社など相談先の選び方までを網羅的に解説します。広大な大地で育まれた企業の価値を正しく理解し、次世代へバトンを繋ぐための指針として、ぜひお役立てください。
北海道におけるM&A・事業承継の最新動向
北海道エリアにおけるM&A市場は、全国的に見ても極めて活発な動きを見せています。その背景には、深刻化する「後継者不在」という内部要因と、国内外から注目される「北海道ブランド」という外部要因の双方が作用しています。
北海道は広大な土地と豊かな資源を持つ一方で、札幌市への一極集中と地方部の過疎化が進んでおり、地域経済を支える中小企業の存続が危ぶまれています。帝国データバンクなどの調査によると、北海道企業の「後継者不在率」は依然として60%〜70%近い高水準で推移しており、これは全国平均と比較しても高い数値です。
特に、団塊の世代を含む高齢経営者の引退時期が迫る中、親族内に後継者がいないために、黒字経営でありながら廃業を選択せざるを得ない「黒字廃業」のリスクが高まっています。
一方で、買い手側の視点に立つと、北海道は魅力的な投資対象です。食、観光、再生可能エネルギーといった成長産業が集積しており、ラピダス進出などの国家的プロジェクトも進行中です。そのため、道内企業同士の統合だけでなく、首都圏や海外企業が北海道への市場参入を目的としてM&Aを行う「IN-OUT(道外から道内へ)」型の取引が増加傾向にあります。
事業承継の必要に迫られた売り手と、成長機会を求める買い手のニーズが合致し、M&A件数は右肩上がりで推移しています。
後継者不足による「事業承継型M&A」の増加
北海道の中小企業において、かつての主流であった「親族内承継」は年々困難になっています。
少子化に加え、経営者の子供が札幌や東京の大学に進学し、そのまま都市部の大手企業に就職してしまうケースが多発しています。子供にとって、人口減少が進む地方で家業を継ぐことは、将来への不安や多額の個人保証(借入金の連帯保証)という重荷を背負うことを意味するため、親としても強く勧められないのが実情です。
また、社内の役員や従業員に承継させようとしても、自社株を買い取るための資金力がネックとなり、断念せざるを得ない事例も少なくありません。
こうした状況下で、第三者である企業に株式を譲渡する「事業承継型M&A」が、最も現実的な解決策として定着してきました。資本力のある買い手企業傘下に入ることで、経営者は個人保証から解放され、創業者利益を得て引退できます。同時に、会社は存続し、従業員の雇用や技術、取引先との関係も守られます。
M&Aは、地域から企業の灯を消さないための有効な手段として、北海道全域で活用が進んでいます。
道外・海外企業による「北海道ブランド」への投資意欲
北海道の企業が持つポテンシャルは、道内にいる当事者以上に、道外や海外の投資家・企業から高く評価されています。
特に「食」と「観光」の分野における「HOKKAIDO」ブランドは、世界的に見ても強固な競争優位性を誇ります。アジア圏を中心としたインバウンド需要の回復を見込み、ニセコや富良野、白馬エリアなどのリゾート開発に関連するホテル、旅館、飲食店への買収意欲は旺盛です。
また、豊富な農水産物を加工し、海外へ輸出するための拠点として、地場の食品加工会社や水産会社をM&Aでグループ化しようとする商社や大手食品メーカーの動きも活発です。
さらに、広大な土地と風況の良さを活かした風力発電などの再生可能エネルギー事業や、半導体工場建設に伴う建設・物流需要の取り込みを狙い、関連する地元企業へのM&Aオファーが急増しています。
このように、北海道企業は単なる地方の中小企業ではなく、グローバルな成長戦略の一翼を担うパートナーとして認識されており、業種や地域によっては相場以上の高値で取引されるケースも出てきています。
北海道でM&Aが特に活発な主要業界
北海道の産業構造や抱える課題を反映し、M&A取引は特定の業界に集中する傾向があります。
ここでは、特に動きが活発な「建設・土木」「観光・宿泊」「食品・農業」「調剤薬局・医療」の4分野について、なぜM&Aが必要とされているのか、どのようなポイントが評価されているのかを深掘りして解説します。
建設・土木業界
北海道経済の屋台骨であり、M&A件数が最も多いのが建設・土木業界です。この業界では、「人手不足の解消」と「事業エリアの拡大」がM&Aの主要なドライバーとなっています。
北海道開発局発注の公共工事や、札幌市内の再開発、新幹線延伸工事など、仕事量は豊富にあります。しかし、技術者の高齢化と若手入職者の減少により、施工管理技士や技能労働者が圧倒的に不足しています。そのため、自社単独での採用に限界を感じた企業が、有資格者を確保するために同業他社を買収する「採用代替型のM&A」が頻繁に行われています。
また、広大な北海道では、移動コストや冬場の除雪対応が経営効率を左右します。エリアを跨いだM&A(例:札幌の企業が道東の企業を買収)を行うことで、閑散期と繁忙期の平準化を図ったり、地域ごとの公共工事入札資格を獲得したりする動きも見られます。特に除雪業務は地域インフラ維持に直結するため、小規模事業者が中堅グループに入り、安定した経営基盤の下で業務を継続するケースが増えています。
観光・ホテル・旅館業界
インバウンドバブルとも言える活況を呈する一方で、設備の老朽化や後継者難に悩む施設が多いのが観光業界です。
札幌市内やニセコ、洞爺湖、登別といった有名観光地のホテル・旅館は、外資系ファンドや本州の大手ホテルチェーンによる買収合戦が繰り広げられており、不動産価値も含めて高値での取引が成立しています。買い手は、既存の施設を取得することで、建築コストの高騰や人手不足による新規開業の遅れを回避し、即座に収益化を図ることを目的としています。
一方で、地方の温泉旅館などでは、コロナ禍での借入金負担が重く、自力での設備改修が困難なケースも散見されます。こうした案件では、事業再生のノウハウを持つスポンサー企業が経営権を取得し、リブランドやDXを進めることで収益性を改善する「再生型M&A」が行われています。売り手にとっては、借入金の個人保証を解除し、従業員の雇用を守るための苦渋の、しかし最善の決断となる場合が多くあります。
食品製造・水産加工・農業
「北海道産」というだけで付加価値がつく食品・農業分野は、M&Aにおける花形産業です。
大手商社、食品メーカー、百貨店、通販会社などが、川上への進出を狙って北海道企業を買収する事例が後を絶ちません。彼らの狙いは、原材料の安定調達と、自社ブランド商品の開発力強化です。例えば、独自の加工技術を持つ水産加工会社や、ブランド牛を生産する牧場、人気のスイーツを製造する菓子メーカーなどがターゲットとなります。
売り手側としても、大手グループの販売網を活用することで、道内のみならず全国、さらには海外へと販路を一気に拡大できるメリットがあります。また、HACCP対応や工場の自動化投資に必要な資金を親会社から支援してもらうことで、経営体質を強化できる点もM&Aを選択する大きな理由です。農業分野においては、農業法人のM&Aを通じて、新規就農者の確保や農地の集約化が進められています。
調剤薬局・医療・介護
人口減少と高齢化が同時に進行する北海道において、医療・介護インフラの維持は喫緊の課題であり、M&Aによる再編が急速に進んでいます。
調剤薬局業界では、薬価改定による利益率の低下に加え、薬剤師の偏在が深刻です。札幌以外の地域では薬剤師の確保が極めて難しく、採用難による閉局リスクが高まっています。そのため、採用力と教育システムを持つ大手調剤チェーンが、地方の店舗を積極的に買収し、ドミナント展開を進めています。
医療機関や介護施設においても、後継者不在の理事長が、地域医療を継続するために近隣の医療法人や全国展開するヘルスケアグループへ事業を譲渡するケースが増えています。買い手側は、スケールメリットによる資材調達コストの削減や、バックオフィス業務の共通化によって収益改善を図ります。
北海道の企業がM&Aを行うメリット
M&Aは、売り手と買い手の双方がWin-Winの関係にならなければ成立しません。
北海道という地域特性を踏まえた上で、M&Aを実行することで具体的にどのような利益が得られるのか、それぞれの立場から整理します。
譲渡企業(売り手)のメリット
売り手である北海道の中小企業経営者にとって、最大のメリットは事業の存続と創業者利益の確保です。
廃業を選択した場合、従業員は解雇され、取引先には迷惑がかかり、地域からその事業機能が失われます。さらに、設備の廃棄費用や現状回復費用がかかり、手元に資産がほとんど残らないケースもあります。しかし、M&Aを選択すれば、従業員は買い手企業に雇用され続け、取引も継続されます。
そして経営者は、株式の売却益という形でまとまった現金を手にすることができます。この資金は、引退後のゆとりある生活資金になるだけでなく、新たな事業への投資や、相続税対策の原資としても活用可能です。また、借入金の連帯保証から解放される精神的な安堵感も、何物にも代えがたいメリットと言えます。
譲受企業(買い手)のメリット
買い手企業にとって、北海道でのM&Aは時間とリソースを効率的に獲得する手段です。
北海道は広大であり、独自の商習慣や人間関係が根付いています。道外企業がゼロから拠点を立ち上げ、顧客を開拓し、人材を採用するには膨大なコストと時間がかかります。特に現在の人手不足の状況下では、優秀な人材を一から集めることは至難の業です。
M&Aを活用すれば、すでに地域に密着した顧客基盤、熟練した従業員、必要な許認可、そして好立地の不動産を一括して手に入れることができます。これにより、参入初日から事業を稼働させ、収益を上げることが可能になります。また、道内企業同士のM&Aであれば、シェア拡大による価格競争力の向上や、重複部門の統合によるコスト削減といったシナジー効果を即座に享受できます。
北海道でのM&A相談先の選び方と主要プレイヤー
M&Aを検討し始めたとき、最初に誰に相談するかで、その後の成否やスピード感は大きく変わります。
北海道で利用できる主な相談先は、「地元金融機関」「M&A仲介会社」「公的機関」の3つです。それぞれの特徴や得意分野を理解し、自社の規模や目的に合ったパートナーを選ぶことが重要です。
地元金融機関(北洋銀行・北海道銀行など)
北洋銀行や北海道銀行をはじめとする地元の地方銀行や信用金庫は、道内企業にとって最も身近で信頼できる相談相手です。
長年の取引を通じて自社の財務状況や経営課題を深く理解しており、親身なアドバイスが期待できます。また、道内企業同士のマッチングに関しては圧倒的な情報量とネットワークを持っています。「地元のよく知っている企業に引き継いでもらいたい」という場合には最適な選択肢です。
一方で、マッチングの範囲が基本的に自行の取引先に限定される傾向があります。道外の大手企業や海外企業を含めた広い選択肢から、より高い価格や好条件での売却を目指す場合には、情報量に限界があることがあります。近年は外部の仲介会社と提携するケースも増えています。
M&A仲介会社(大手・中堅・地域特化)
M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に入り、交渉から成約までを一貫して支援する専門業者です。
全国規模のネットワークを持っており、道外の有力企業や異業種の買い手候補とのマッチングに強みがあります。特に「M&A総合研究所」のように札幌に拠点を持ち、地域密着のサポートと全国網の提案力を兼ね備えた会社であれば、北海道特有の事情を汲み取りつつ、東京水準の企業価値評価を引き出すことが可能です。スピード感のある成約や、複雑なスキーム構築を望む場合に適しています。
成功報酬型の手数料が発生します。会社によっては着手金や中間金が必要な場合もあるため、契約前に料金体系をしっかりと確認する必要があります。
公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)
「北海道事業承継・引継ぎ支援センター」は、国が設置している公的な相談窓口で、札幌をはじめ道内各地の商工会議所などに窓口があります。
相談は原則無料であり、営利を目的としないため、公平・中立な立場からのアドバイスを受けられます。小規模な個人事業主や、まだM&Aをするか決めていない段階での初期相談に適しています。また、親族内承継の相談にも対応しています。
公的機関であるため、民間企業のような積極的なプッシュ型の営業は期待しづらい面があります。登録されている買い手リストの中からのマッチングとなるため、成約までに時間がかかる場合や、条件面での調整に限界がある場合があります。
北海道のM&Aにおける注意点と成功のポイント
北海道でのM&Aを成功させるためには、一般的な手順に加えて、地域特有のリスク要因や商習慣を考慮した進め方が求められます。
特に、都市部と地方部の格差や、気候条件によるビジネスへの影響は、買い手が見落としがちなポイントであり、売り手側から適切に情報提供を行うことがトラブル防止につながります。
エリア特性と商圏の理解
北海道と一言で言っても、九州と四国を合わせたほどの面積があり、エリアごとに経済圏は全く異なります。
札幌圏は人口集中により都市型のビジネスが成立しますが、道北や道東などの地方部では、商圏人口が少なく、移動距離が長大になるため、物流コストや営業効率が大きく変わります。また、最低賃金や採用難易度もエリアによって差があります。 M&Aの交渉においては、自社の商圏の特性や、地域内でのシェア、競合状況を正確に伝える必要があります。
北海道全域として大雑把に捉えるのではなく、各地域の生活習慣や顧客ニーズに根差したビジネスの強みをアピールすることで、買い手の理解を深め、適正な評価を得ることができます。
早めの準備と磨き上げ(プレM&A)
希望する条件で会社を売却するためには、M&A市場に出す前の準備が極めて重要です。
北海道の中小企業によく見られるのが、経営者個人の私用車や交際費が会社の経費に含まれている公私混同や、契約書が未整備のまま口約束で取引を行っているケースです。これらは買い手がデューデリジェンスを行う際、不信感を抱く原因となり、価格減額や破談の要因となります。 売却を検討し始めたら、少なくとも直近2〜3期分の決算書をきれいにし、不要な在庫や遊休資産を処分してスリム化を図りましょう。
また、従業員の労務管理を適正化しておくことも必須です。数年前から準備を進めることで、企業価値を高め、スムーズな成約を実現できます。
まとめ
北海道におけるM&Aは、後継者不足という課題を解決するだけでなく、企業のブランド価値を最大化し、新たな成長軌道に乗せるための前向きな戦略です。建設、観光、食品、医療など、北海道の強みを活かせる産業には、国内外から熱い視線が注がれています。
成功の鍵は、北海道特有の事情を理解し、自社の価値を正しく評価してくれるパートナーを選ぶことにあります。地元の安心感と全国規模のネットワーク、それぞれのメリットを見極めながら、最適な相談先を見つけてください。早めの準備と適切な判断が、会社と従業員、そして地域の未来を守る確かな一歩となります。
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